メンズ ブリーフケースの試作
この鞄を基本として、今後改良していくために作りました。

今は、家計から革の仕入れを捻出している状況ですし、
いきなり高価なヨーロッパ革で作るのでは無く、事前の試作は欠かせません。
本来は床革等を利用して、試作をしますが、
今回は銀付きの在庫革を利用して、本番さながらです。
鞄全体の雰囲気を、より忠実にする為に、あえて銀付きの革を使った試作品です。

このブリーフケースは、A4サイズを基本サイズとして設計しています。
中仕切りは2層式デザインで仕立てました。
2層式は書類が鞄の中で整理できて、使い勝手がいいのです。
製作しての感想は、全体のサイズバランスについては、おおむね良いように思います。

修正箇所は、まずは持ち手。
持ち手は一番負荷がかかって、一番酷使される部分なので、
デザイン性と、さらなる強度を上げる為に、写真のタイプに変更するつもりです。
持ち手の芯は、一枚一枚長方形状の床革を貼り合わせ、角を鉋でかまぼこ状に削ります。
握った時に手にフィットするように、丸みを帯びるようにイメージしながら削ります。
そして、表革で包みこみ、アーチ状になるように、手縫いで縫製します。
(写真の持ち手は、ノブレッサカーフ ゴールド色使用の試作品)

錠前は、鞄の「顔」となります。
この鞄の金具は、あくまでのも試作品に対してのストックの金具を使用しています。
実際は、真鍮錠前を使います。
現在は入手困難となっています、イタリアOCS社錠前が写真の一番右。
中央と左が、OCS社の錠前を日本で復刻したものです。
真鍮独特の美しい輝きをもっています。
仕立てにつきましては、へり返しで仕上げてありますが、
ビジネス鞄として酷使されるものですから、作品とする場合は切り目で仕上げます。
鞄の角が傷んできて修理する場合、へり返しの仕立てだと一枚の革でへり返してあるので、
革の全てを取り換えなくてはなりません。
切り目の場合は角が傷んでも、磨くことができます。
本体を傷めなくても、修理が可能になり、長く同じ鞄を使う事が出来るのです。