ダレスバックの試作品
先日の、ブリーフケース同様、全体のバランスと、すべてのパーツの大きさや位置を確認する為の試作品です。
試作ベースがあって、初めて改良できるわけです。

今回の改良点は、縦横の比率をもう少し考える必要がある事。
持ち手についても、このダレスバックは「ダレス手」と呼ばれる持ち手ですが、
先日のブリーフケースと同様、「包み手」と呼ばれる持ち手に改良するつもりです。
「ダレス手」は可倒式の為に、スッと、持ち手に手を入れることが出来ませんが、
「包み手」は、常に同じ形状を保っている為、持ち手に手を入れやすいのです。
ダレスバックとは、革が張りつめたような緊張感とたっぷりした革の質感。
存在感のある錠前、ビジネス鞄として機能し、日常使うにはあり得ない形を持つ。
その見た目により、紳士鞄の中で圧倒的な風格と存在感を持つ鞄です。
紳士鞄のブリーフケースと使う目的は、ほぼ一緒だが、誰しもがこのダレスバックを見て、
ちょっとお堅いイメージが先行している鞄です。
…が、実際は、とっても使い易い鞄なのです。

この鞄の特徴は、開口部が広く開くことです。
口金が仕込まれている為に、そのままの形状を維持したまま、ガバッと開くので鞄の中身を一目で確認出来るのです。もちろん、出し入れもし易い。
さらに、このダレスバックの内部は、三層に仕切りがある為、中に入れる物を仕分けておくことが出来ます。
内部構造が三層である「三つマチダレス」は、鞄を横から見た際に、
一番美しいフォルムを持つ、定番型ダレスバックです。

今回、試作品にも関わらず、裏地もピックスエードを使って、
本作の為のリアリティーを追及しました。
やはり、裏地に革を使うのは品格が増します。
革の裏地にしたことで、総重量は若干増しているのですが、体感出来る程のものでは無いので、使っていても負担にはならないハズです。

金額的な負担は大きいですが、使い易い鞄なので、
是非、若い世代のビジネスマンの方にもダレスバックを使って頂きたいと願うのです。