人気ブログランキング | 話題のタグを見る

鞄のアトリエ ESPEDIENTE  ~エスペディエンテ~

espediente.exblog.jp ブログトップ

変わり種 鞄

このブログでは、自宅の工房で生み出された鞄を紹介してきましたが、
私の勤め先の工房で、ちょっと面白い鞄を製作したので、
ご紹介したいと思います。

安曇野にあります、私が勤めている工房は、3人の職人で切り盛りする小さな工房です。
そこでは、オーダーメイド鞄の製作を主に担当しています。
工房オーナーとお客様のやりとりで描かれたスケッチを元に、
設計から、型おこし、裁断縫製、全作業工程を、
分業では無く、全て同じ一人の職人が行います。
鞄職人を目指す私にとっては、一通りの仕事を全て任される理想の環境で、
とても有り難く感じています。
通常の皮革製品以外にも、着物地や帯等の古布や、革コートをバックへリメイクしたり、
修理等、いろいろ経験させてもらっています。

そんな環境の中で、狩猟用ライフル銃ケースの、オーダー製作を担当しました。
注文書には、サイズとデザインが描かれていて、それを元に設計して、
この様な鞄が出来上がりました。

変わり種 鞄_d0205122_01243.jpg


横幅82cm。高さ16cm。奥行き12cm。
横長タイプのケースです。
ライフル銃は2分割して収納する為、中に仕切りを設け、ケースに納めた際に、
ライフル銃を、ベルクロテープ(マジックテープ)で固定するように設計しました。

変わり種 鞄_d0205122_01494.jpg


とにかく、ライフル銃はかなりの重量がありました。
その為、重量に耐えうるような、仕立て、芯材選びに苦労しました。
実際の重さは計ることが出来なかったので、確かでは無いのですが…
持ちあげてみた時の第一印象では、総重量は15㎏~20㎏弱は、あるかと感じました。
その、重量に耐えうる仕立てに重点を置き、一番悩んだのは芯材です。

重量のあるライフル銃を入れて持ち歩くので、鞄が変形しては困ります。
だからといって、ただ厚く芯材をいれれば良いわけでもありません。
革の質感と芯材のバランスを考えて、調整していきます。
芯材のおかげで、鞄はパリッとした仕上がりになります。

変わり種 鞄_d0205122_023929.jpg


このケースは長さ82cmもありましたので、
ミシン縫製時の生地の取り回しが、とにかく大変でした。
取り回しに苦戦することは、ミシンに安定して縫製がかけられなくなるので、
ミシンステッチの縫い上がりには、注意しました。
具体的には、貼り込みの粘着を強化しました。
貼り込み作業とは、ミシン縫いを行う前に、縫製部分を貼り合わせて、
仮留めすることです。
貼り込みがずれると、ずれたまま縫製されるので、慎重に位置決めをしていきます。
下準備を入念にした結果、納得のいく鞄が出来上がるのです。
by keel503 | 2011-02-04 00:05 | 鞄職人の日々
line

長野県松本市にてヨーロッパの革を使った、手づくりの革鞄やバックを製作しています。2013年4月にアトリエ兼店舗をオープンいたしました。皆様のお越しをお待ちしております。


by keel503
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31