人気ブログランキング | 話題のタグを見る

鞄のアトリエ ESPEDIENTE  ~エスペディエンテ~

espediente.exblog.jp ブログトップ

先週と今週の行動

ここ最近は… 
自宅へ来客があったり、オーダーをして下さる方との打ち合わせがあったり、
勤務時間では無い、限られたプライベート時間を使った現在の活動の中、
お陰さま。
忙しく毎日を送っていました。
打ち合わせが済むと、まずは端革等でオーダーのサンプルを製作。
結果、先週も今週も作品の方は手つかずとなりました。

最近の高級車は“スイートポテト”の様な形をしたキー、
“インテリジェントキー”が主流のようなのですが、
コンパクトに収まるキーケースというものが、なかなか無いそうです。
今回のオーダーは“スイートポテト”のキーを2つと、
リモコンエンジンスターター、自宅の鍵に、自転車の鍵等…
必要な鍵類が全て一式収まるキーケースの依頼を、
日頃、私達がお世話になっている、ご夫婦から頂きました。
まずは、キーケースのサンプル製作に着手。

先週と今週の行動_d0205122_17301053.jpg


こちらは、旦那さんのキーケースサンプル。
出来るだけコンパクトにまとめようと、試行錯誤した結果、
写真の様な形に一旦、落ち着き、サンプルをもとに先日打ち合わせをしました。
なんとなく完成形がみえてきた感じがします。

奥様のキーケースは、新しく車を購入するということで、
ご依頼を頂いた時には、奥様の鍵の全貌が明らかになっていなかった為、
自分なりの使用感を元にサンプルを組み立ててみました。
実際の新車のキーを、打ち合わせの際に見させて頂きましたが、
キーはさらに新しい形となり、ウェハースの様な形状のキーが付属されている事が分かり、
奥様のキーケースのデザインは、根本から見直すこととなりました。

先週と今週の行動_d0205122_1731044.jpg


しかし、身近にあった思わぬものがヒントになり、
こちらも完成形が、イメージ出来てきました。
いずれも、実用性と使用感が最優先となる為、
手間はかかりますが、もう一度サンプルを作成しようと思っています。

さて、このようなオーダーだけでは無く、私個人の作品の販路の場を確保する為、
去年より行ってきたクラフトフェアの参加でしたが、
今年も昨年同様に幾つか応募をしていました。
そのフェアの中でも地元で開催される「クラフトフェアまつもと」。
これに限っては4年程前から応募はし続けてきましたが、
軒並み落選しつづけ、懲りずに今年も応募してたんです(笑)

先週と今週の行動_d0205122_17314444.jpg


それが… 今年はどういう事でしょう!!!
何とか“参加確定”の通知が来て、とりあえずの販路の確保が出来たんです。
毎年5月の末日に開催される「クラフトフェアまつもと」まであと2カ月ちょっと。
販売品の製作…
依頼品の製作…
自分の製作時間は朝2時からの4時間半。

とても間に合わない…。
もう一人、自分が欲しい。
製作時間がもっと欲しい!
なんて言っても叶わないので、出来る範囲で、出来る時間で、出来る事を、
地道に、手を抜かずに頑張るしかないな。
# by keel503 | 2012-03-16 17:34 | 鞄職人の日々

ドイツシュリンクのショルダーバック

つい1カ月前には、寒さで水道が凍結したり、
「寒い。寒い。」が口癖でしたが…
3月に入り、朝晩の寒さも緩やかになってきました。
と、いうわけで…
暖かい季節に向け、明るい元気の出る色♪
ドイツシュリンクのオレンジ色を使って、
薄型の斜め掛けショルダーバックを製作しました。

今回の鞄のコンセプトは、“薄型のマチ無し”。
だけど、ふっくらボリュームのある鞄。

ポケットはメインの収納口だけでなく、
サブポケットをより多くつける事を視野に入れて製作しました。

ドイツシュリンクのショルダーバック_d0205122_0581975.jpg


前胴はオープンポケット1室と、ファスナーポケット1室。
背胴にはファスナーポケットを1室、
薄型のショルダーバックでありながら、
荷物を小分けに整理して持ち歩く事が出来る。
使い勝手をメインにした設計です。

ドイツシュリンクのショルダーバック_d0205122_059685.jpg


前胴と背胴の2枚合わせで、マチが無い仕立ての為、
鞄自体が薄くなった分、内容量が半減してしまいます。
内容量を少しでも確保出来るよう、前胴と背胴の間に玉ブチをサンドイッチし、
コーナーの部分にはダーツを入れ、ふっくらさせる配慮をしました。

ドイツシュリンクのショルダーバック_d0205122_0595667.jpg


コーナー部分へダーツを入れる事で、立体表現が可能になり、
ダーツの切り込み部分へも工夫を加え、自然な膨らみが表現できました。
ダーツの切り込み角度や、長さを変えることによって、
もっと、ふくらみの表現を変える事ができます。
この表情の変化を、次回に活かしてみたいと思っています。

全体のバランス、各パーツの大きさも、イメージ通りにできました。
ファーストモデルだった為に、無難にワントーンで全てをまとめましたが、
次回は複数色取り交ぜた、元気のある配色にしてもいいかな…と、妄想しています。
# by keel503 | 2012-03-05 01:11 | 鞄職人の日々

錠前の撮影

いつも鞄が出来上がると、夫婦二人で撮影を行います。
一人がライティング。もう一人がカメラマン。
分担は特に決まっていなくて、逆に、交代して両方の役目をこなすことで、
お互いの違った感性(センス)で表現する事が出来ます。
しかし、撮影はなかなか自分らのイメージ通りにいかないことが多く、
ライティングが特に難しい…。
妻と二人、イライラしてよくもめます(笑)

そんな撮影方法が出来るようになったのも、先生のおかげ。
指導してもらう先生には、月に2回程度自宅まで来て頂き、
自宅の中で出来る撮影方法を、色々と教えて頂いております。
一昨日にも写真のレッスンがあり、
テーマは、金具を中心とした「光もの」を美しく撮影する方法。

錠前の撮影_d0205122_2233337.jpg


まずは、先生の見ている前で、妻と二人だけで撮影を行ってみました。
今回の役割は、私がカメラマンで妻がライティング。
金具の輝きを重視する余り、金具に直接照明が当たって、光が強すぎる結果に。
ライトと金具の間にトレーシングペーパーを入れて、
もう少し光が全体にいきわたるようにと、アドバイスを頂いてリベンジ。

錠前の撮影_d0205122_2234295.jpg


先程よりは、だいぶ表情良く撮影出来たように思いますが、
黒の背景で撮影している黒が、グレー色に写っています。
まだまだ… ですね…。
こんどは、先生が選んだライティングとトレーシーグペーパーの位置に。
今まで私達がやった事の無い位置でのライティングで驚き!!!
照明の位置の変更と共に、アングルの変更も。
私達が選んだアングルは、同じ距離にあるにも関わらず左右で、
ピントが合っているものと、ぼかしが入っているものがあって気持ち悪いと。
カメラの向きを縦のアングルに構えを変えて奥行きをだして、
もう一度撮影にチャレンジ

錠前の撮影_d0205122_22343141.jpg


わぁぁ~
カタログみたい!!!
アングルやぼかし具合、ライティング。
わずかな、加減で同じ被写体なのに、全然違った写真になるなんて。
先生にはいつもいろいろ教えて頂き… 感謝です。
写真もモノづくりと一緒で、正解が無い分野。
だから楽しみが有るのだけれども、
難しい…。
上手くいかないと、何でこうなのかなと嫌な気分。
けど、逆に実物以上に撮影が出来たら、すごく嬉しい。
写真も日々特訓して、上達していきたいです。
# by keel503 | 2012-02-26 22:37 | カメラレッスン

リザード財布と錠前カスタム

前回のシュリンク財布につづいて、財布つづきの更新です。
勤め先の工房からの依頼で、リザード(トカゲ)の長財布を製作しました。
前回同様に、サンプルをお預かりしての製作です。

通常、勤め先からの依頼分は、材料等全て支給されます。
しかし、私も含めて特殊革の製作は余り行わないので、
リザードは、先月の仕入れの際に、私が一緒に東京で購入してきたもので、
リングマークの面影が残る少し大判のリザードです。

リザード財布と錠前カスタム_d0205122_11134941.jpg


特殊革の加工はまだ慣れていない部分もあるのですが、
今回、一番の悩みどころはリザードの裏打ち。
いろいろな素材で、試してみましたが、色々やりすぎて更に頭が混乱!!
硬くした方がいいのか…、
柔らかくした方がいいのか…。

柔らかいと型崩れするし、
硬すぎるとリザードの雰囲気が死んでしまう。
どれが一番自分のイメージに合っているのか、悩みに悩んで…
少し硬い銀付きの牛革を使用してみました。
牛革の1.2ミリを選択してみましたが、
自分の求めていた仕上がりイメージに対して、
もう少し、ハリ・コシ感が欲しかったなぁという気持ちもありますが、
全体のスマートさからみれば、今回の選択で収まりは良かったと思います。
表情のある特殊革はとても面白い素材なので、
今後も取り入れていきたい魅力的な素材です。

さて…
あくる日…
作業机に向かったものの、どうしても気分がのらず、
気持ちが乱れている時がたまにあります。
そのまま無理して製作を続行すると、
失敗をする確率が高いので、あえて違う作業をします。

錠前を作る事は、技術的にも資金的にも無理だけれども、
カスタム位なら…
という事で…
先月、仕入れてきた錠前をカスタムしてみました。

真鍮ブロンズのメッキを全部剥がし、
地を出してから磨き上げ、
プレートの丸い装飾部分には、穴を開け、真鍮鋲を打ち込んでみました。

リザード財布と錠前カスタム_d0205122_1115532.jpg


ムフフフフ…
同じ錠前なのに、全然違う表情に!!!
これなら、充分使えそうだ♪
# by keel503 | 2012-02-19 11:18 | 鞄職人の日々

シュリンク財布完成

先日より製作を進めて参りました、財布が完成しました。

今回は実物見本をお預かりし、基本的には見本通りに財布を仕立てていったのですが、
今までの財布はカード入れの一番下の段部は深さが浅すぎてカードが入れにくく、
納まりが悪いなど使用上不具合を感じていたようなので、
スッキリ収まるようにカード入れの深さを深く調整しました。

シュリンク財布完成_d0205122_3313277.jpg


(前回にも記しましたが…、)
見本の財布を最初に拝見したときには、
さほど製作工程の複雑さを感じませんでした。
しかし、逆に裏地が無い分ステッチが表に出ない工夫や、
裏地で隠される箇所が無い為、無駄の無い縫製を行う等の配慮が必要で、
縫製していく順番も、ひと工程順番を間違えるだけで組み上がらない等、
単純さの中にも、複雑で神経をつかいました。

シュリンク財布完成_d0205122_333151.jpg


最終的なコバの仕上げも、見本に忠実に… コバ処理は行わず。
綺麗におさめたい!! という気持ちをぐっと抑えて、
合わせ切りのみで終了。
このラフさが、この財布には合っているのかな…

けれど、今回選択した革はドイツシュリンクのゴールド色。
シボの表情の効果もあって、ラフな作りのなかでも、
上品さを感じさせるものに仕上がりました。

次は、勤め先からの依頼分でのリザード長財布に取りかかっています…
仕立て方悩み中…
また、報告します。
# by keel503 | 2012-02-12 03:35 | 鞄職人の日々
line

長野県松本市にてヨーロッパの革を使った、手づくりの革鞄やバックを製作しています。2013年4月にアトリエ兼店舗をオープンいたしました。皆様のお越しをお待ちしております。


by keel503
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31